各種類の素材について

 

【素材について】オランダ水牛とは

オランダ水牛とは、白水牛とも呼ばれる印鑑の素材の一つです。オランダというと、オランダから輸入されている牛かと思ってしまいますが、実際はインドネシアが原産です。※インドネシアは、過去、オランダの植民地だったという歴史的背景があります。
野草のように白い斑入りと呼ばれるものがあったり、全く斑が入っていない純白のものまであったりとバリエーションが豊かで、一本一本違う雰囲気を持っております。
若い牛(5才くらいまで)ほど角は黒っぽく、やがて茶色になり、8才を過ぎたあたりからだんだんと色が抜けていき透明がかった色合いになります。牛の皮や肉は若いものほど良質な為、普及している角は、若い牛から採取した黒から茶のものが殆どです。これらは高級ボタンなどに使われます。立派な成牛以上の角はなかなか手に入らないので、白色や透明がかったオランダ水牛はとても貴重で高級品となります。
朱肉との馴染みもよく、印影もきれいに捺せます。女性に人気の印材です。

【素材について】黒水牛とは

ベトナムを中心とした東南アジアで育つ水牛から、副産物の恩恵を受けて印材となるのが「黒水牛(くろすいぎゅう)」という印鑑素材です。黒水牛の中でも、「芯を中心に採った」印材を“芯持黒水牛”と呼びます。
「芯持」はより硬く丈夫で、印鑑のような緻密な細工には適しています。1本の角から2~3本しか採れない為、希少性の高い高級品となります。また、黒水牛などの角・牙系の印材は、朱肉に馴染みやすく、きれいな印影を捺すことができます。なお、芯持ち以外の部分は高級ボタンや印鑑のサヤ(キャップ)などに使われております。男性に人気の印材です。
水牛の角は元々は真黒ではなく縞模様があり、加工の段階で黒くお化粧を施します。これが、印材として使われる「黒水牛」です。
※この縞模様を「天然そのものの味」として生かし、染めないことで天然ゆえの強度を保った黒水牛「染無し黒水牛」と呼ばれる印材もございます。

【素材について】柘(あかね)とは

あかねは柘(つげ)そのものではなく、柘に近い品質を持った木材です。かつては「シャム柘」と呼ばれていたのですが、シャム以外の産地のものをそのように呼ぶのは混乱を招くということで柘(あかね)と呼ばれるようになりました。
あかねの産地は主に東南アジアやタイとなっています。本柘と違って成長が早いので量もおおく採れ、比較的安価に手に入れることができます。
本柘はあまり大木でないので大きな印鑑の印材として利用するのは難しいのですが、あかねは大きく成長するので大きな印鑑も作りやすいという別な利点もあります。ただしやはり本柘に比べるときめが粗く硬度にも欠け柔らかいといった欠点があり、どうしても仕上がりは本柘には劣ります。特にサイズが大きくなればなるほどそれが顕著に現れてきます。
最もそれもあくまで高級印材である本柘と比較しての話であり、印材に使う木としては充分な水準を持っているといっていいでしょう。

【素材について】彩華(さいか)とは

資源の枯渇を避けるために、寒冷地(北海道、東北など)に豊富にあるバーチ材(真樺)をフェノールレジンと呼ばれる樹脂を使い、高圧をかけて加熱処理して作られる木製印材のことです。一般の木材と比べて、硬度に優れ、キメも細かいので印材に向いています。カラーも豊富で、アンティークレッド、アンティークブラック、アンティークブラウン、ワインレッドがございます。
このバーチ材(マカバ、サクラ、カバザクラとも呼ばれる)はヒノキ材と同程度の硬さで、広葉樹の中でもそこそこの硬度があります。また、均等で緻密な木肌をもち、反りなどの狂いが少ないというのが特徴がです。さらに、粘りや強度もあり、磨耗にも強く、磨くだけで艶もでるため、床材や家具材、建築内装材としても多く使われています。耐久性に関しては腐蝕しやすいという性質を持っているので、屋外で使用する場合などは、表面に何らかの処理を施した方がよいでしょう。
マカバは北海道などでは「広葉樹の女王」と呼ばれる事もある木で、その外観は気品に溢れています。

【素材について】本象牙とは

象牙は様々な印材の中でも最も朱肉のなじみが良く、鮮明な印影が得られる最高級の印材です。その高級感は重要な場面での使用が最も多い実印においては、最高の印材といえるでしょう。また、象牙は「森の真珠」と云われ、縁起物として好まれる品です。乾燥やひび割れにも強く、印材の中でも最高峰と言われています。表面の光沢も年月を重ねて使えば使うほど増していきます。
尚、象牙製品は、ワシントン条約によって輸入が規制されています。当店では、象牙の印鑑販売届出制の実施と立入検査等にもきちんと対処しております。また、各取扱店毎に認定事業者番号が義務付けされています。当店の番号は下記の通りでございます。
<当店の事業者番>
環境省・経済産業省認定事業者番号
特定国際種事業者番号S-5-27-00629

【素材について】薩摩本柘とは


木製の印材としては古くから使われており、一般的な印鑑として広く愛用されています。柘には種類がありますが、薩摩本柘は柘の中でも高級品とされており、長い間使用してもあまり変化がないことが特徴です。
薩摩本柘は天然植物系の印材としてはもっとも繊維が緻密で、成長が遅く目が詰まっている柘の木は硬度も粘りもあり篆刻(彫刻)に適しています。また、木目がとても綺麗なため、様々な加工製品に使われています。
薩摩本柘は木材なので直射日光や急な乾燥、湿気などの気温の変化に弱い部分がありますが、捺印後のメンテナンスや保管に注意していただくことで、印鑑を長持ちさせることができます。

【素材について】瑪瑙(めのう)とは


瑪瑙(めのう。「アゲート」とも呼ばれます)とは天然石(鉱物)の一種です。特徴はなんと言っても石に出来た縞模様です。また、硬度も高く丈夫なことから、印鑑に適した素材と言えます。
元々は水晶と同じ仲間の石英ですが、微小な結晶の中に様々な成分が混ざることによって特徴的な縞模様が形成され、その色合いや模様によってオニキスと呼ばれたりカーネリアンと呼ばれたりすることもあります。「アゲート」という名前の由来は、イタリアのシチリア島にあるアカーテという川のほとりで発見されたことからきたといわれています。
火山性のものと堆積製のものと大きく分けて二種類があるアゲートですが、どちらも水晶と同じでモース高度は7と非常に硬く、割れると鋭利な形になるためヨーロッパ地方では古くはやりなどの石器武器として活用されていた時代もありました。
また、瑪瑙(めのう)には石言葉があり、持つ人にリラックス効果を与えて、心身ともにエネルギーを満たしてくれる効果があると言われています。そのため健康運をアップさせたり、ストレスや不安などのマイナスエネルギーを解消させるには適した石と言えるでしょう。また、アゲートは沢山の物質が集まって出来た結晶であるため、人と人の絆を強めて人間関係を良好にしてくれる効果があるとも言われています。
保管方法ですが、紫外線や水に弱い性質ですので直射日光や湿気の多い場所での保管はお勧めしません。

【素材について】黒檀(こくたん)とは


仏壇や高級家具(箪笥(たんす)等)に重宝される高級天然木材、それが黒檀(こくたん)です。カキノキ科の常緑広葉樹で、黒色と淡赤色の縞目模様が特徴です。
成長には時間がかかりますが、その分緻密性の高い木材です。非常に重く、硬く、耐久性に優れているので、印鑑に適した素材と言えます。黒檀の英語名はエボニー(ebony)といい、インドやスリランカ、南アジアからアフリカにかけて、広範囲に分布しています。乾燥性が高く、虫に食われにくいことから朽ちることがないと言われており、半永久的な耐久性をもった強い木材なのです。
高級家具に用いられるほどに重宝される黒檀ですが、体積の少ない印鑑は黒檀の良さを比較的お値打ちな価格で楽しめる点が魅力と言えるでしょう。また、黒檀は油分を含んでいる木材なので、使えば使うほど味が出てきて魅力的になっていきます。現在では乱伐と生育環境の悪化の為、希少価値の高い印材です。

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